予防接種とワクチンの役割
予防接種を受けましょう
感染症にかかると身体の中で抗体が作られ、新たに外から侵入する病原体を攻撃する仕組みができます。この仕組みを「免疫」といいます。
免疫の仕組みを利用したのが「ワクチン」です。ワクチンを接種することにより、あらかじめウイルスや細菌(病原体)に対する免疫(抵抗力)を作り出し、病気になりにくくするのです。まれに熱や発疹などの副作用がみられますが、実際に感染症にかかるよりも症状が軽い事や周りの人にうつすことがない、という利点があります。
生ワクチンと不活化ワクチン
ワクチンは、感染の原因となるウイルスや細菌を基に作られています。
成分の違いから、大きく「生ワクチン」「不活化ワクチン」「トキソイド」にわけられます。
- 生ワクチン
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製造方法
病原体となるウイルスや細菌の毒素を弱めて病原性をなくしたものを原材料として作られます。
接種回数と抗体の量
毒素を弱めたウイルスや細菌が体内で増殖して免疫を高めていくので、接種の回数は少なくて済みます。十分な免疫ができるまでに約一カ月必要です。
- 不活化ワクチン
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製造方法
病原体となるウイルスや細菌の感染する能力を失わせた(不活化、殺菌)ものを原材料として作られます。
接種回数と抗体の量
自然感染生ワクチンに比べて生み出される免疫力が弱いため、一回の摂取では十分ではなく、何回か追加接種が必要になります。摂取回数はワクチンによって異なります。
- トキソイド
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製造方法
病原体となる細菌が作る毒素だけを取り出して、毒性をなくして作られます。
接種回数と抗体の数
不活化ワクチンと同じく、数回接種して免疫をつけます。
ワクチン接種の間隔
別の種類のワクチンを接種する場合の接種間隔
- 生ワクチン→生ワクチン
「注射生ワクチン」の接種後27日以上の間隔をおかなければ、「注射生ワクチン」の接種を受けることはできません - 生ワクチン→不活化ワクチン、経口ワクチン
制限はありません - 不活化ワクチン、経口ワクチン→生ワクチン、不活化ワクチン、経口ワクチン
制限はありません
集団免疫効果
ワクチンの役割「個人を守る」と「社会を守る」
予防接種には「個人を守る」「社会を守る」の2つの役割があります。
予防接種を受けるとその病気に対する免疫(抵抗力)がつくられ、その人の感染症の発症あるいは重症化を予防することができます。また、多くの人が予防接種を受ける事で免疫を獲得していると、集団の中に感染患者がでてきても流行を阻止することができる「集団免疫効果」が発揮されます。さらに、ワクチンを接種する事が出来ないひとを守る事にもつながるのです。
新型コロナワクチン
原則として、新型コロナワクチンとそれ以外のワクチンは、同時に接種できません。
新型コロナワクチンとその他のワクチンは、互いに、片方のワクチン接種を受けてから2週間後に接種することができます。
(注意)創傷時の破傷風トキソイド等、緊急性を要するものに関しては、例外として13日間あけずに接種することが可能です。
当院使用ワクチン一覧
- 生ワクチン
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- ミールビック(麻疹風疹混合ワクチン)
- 水痘ワクチン
- おたふくかぜワクチン
- 不活化ワクチン
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- インフルエンザHAワクチン
- ニューモバックス(肺炎球菌ワクチン)
- シングリックス(帯状疱疹ワクチン)
- エイムゲン(A型肝炎ワクチン)
- ビームゲン、ヘプタバックス(B型肝炎ワクチン)
- 破傷風トキソイド
- mRNAワクチン
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- コミナティ(コロナウイルスワクチン)
- COVID-19ワクチンモデルナ(コロナウイルスワクチン)
※当院では小児の定期接種は受け付けておりません。